α-フェトプロテイン(AFP)
α-フェトプロテイン(AFP)というのは、胎児期に肝臓の細胞で作られ、胎児の血液中の存在するたんぱく質です。出生後はほとんど作り出されなくなる為、一般的に成人だと基準値以下となります。しかし肝細胞がんなどの悪性腫瘍が出現している場合にはこれが高値となるのです。AFPは、肝細胞がんにおける陽性率が高く、その診断的価値も高い為PIVKA-Ⅱと並んでもっともよく使われる腫瘍マーカーとなっています。このAFPが高値であった場合には、まず肝がんの存在を疑う事となるでしょう。腹部超音波検査・CT・MRIなどの各種画像検査を行う必要があります。また、もう一つの肝細胞がんの腫瘍マーカーであるPIVKA-Ⅱと組み合わせると、さらにその診断率が上がるとされています。AFPは、一部の胃がんでも作られるほか肝硬変や肝炎などの良性の肝臓病でもやや上昇する事が分っています。