骨ドックの評価とフォローアップ
骨粗鬆症に起因する骨折の主な危険因子は、女性・高齢・低骨密度・既存骨折等が挙げられるのであるが、そのほかにも多くの危険因子が存在する。WHOのFRAXは骨密度もしくは危険因子によって個々人の骨折リスクを評価するツールであり、危険因子のみを用いたFRAXは、骨粗鬆症の検診におけるスクリーニングであったり無症状の高齢者に対して潜在的な骨折リスクを抱えている方を判別する等の手段としても用いられているのだ。
日本国内における骨粗鬆症による骨折の発生率というのが調査されている。2007年に来なった調査結果では、大腿骨近位部骨折発生数が男女合わせて15万人弱であったことが報告された。10年単位で椎体の骨折累計発生率をみてみると、60歳代男性で5.1%、女性で14%、70歳代男性で10.8%、女性で22.2%と分かった。
検診後のフォローアップとして行われるのは、体重管理・栄養指導・運動・喫煙・飲酒などに加え転倒予防・薬物療法の導入を検討するか否か・専門医に紹介するかどうかといった事である。被験者一人ひとりの状態に合わせて必要なフォローを行うことが大切だ。つまり、骨ドックの目的を達成するならば、単に骨粗鬆症のリスクに対する施策だけでなく既存骨折・喫煙・ステロイド薬の使用・骨折の家族歴・運動不足・生活習慣等の健康問題に対しても着目し、総合的な評価と対応が重要となってくるのである。