腹部超音波検査より疑わしい所見がみられた際には、精検が必要となることでしょう。
要治療であった場合には早急に専門医療機関への紹介を要し、要精検の判定だった場合も、特徴的な超音波画像だけでは悪性を否定しきれない良性腫瘍が隠れている可能性があるのです。
この場合は、専門医療機関へ紹介する前に、自施設の超音波検査の再検査を行うのがよいでしょう。超音波の再検査は有効的であり、十分な時間を取って問題個所を観察することで、専門医への紹介が必要なのか否か明確にすることが可能となります。
例えば、胆嚢結石で胆嚢後壁が十分に写し出せていないといった場合、後日再検査の際に体位変換して十分に撮影することが出来れば、1回目よりもより正確な情報を得ることが出来るという訳です。
また、肝臓の限局性病変によって血管腫・脂肪化域の良性病変の疑いがあるものの特徴的な所見は見られなかった場合、造影超音波検査を用いて識別診断を行うと非常に有効的です。
この検査はマイクロバブルを使用する為、ヨードアレルギーの人も腎機能が低下している人に対しても実施できるというメリットがあり、放射線被ばくの心配もない為、健診施設でも安全に行うことが出来ます。
このように、自施設でも可能な範囲で追加検査を行うことによって専門医療機関への紹介を減らすことが可能となり、不必要な繰り返しの経過観察も避けることが出来、より合理的になるのです。