健診というのは、定期的に体に異変が起きていないかを調べるものである為、基本的には自覚症状のない人達が対象となってきます。従って、無症状の早期がんや将来的に重大な病気になる可能性を潜在的に秘めている人たちの、病気もしくはその要因となり得るものの発見が最大の目的だといえるでしょう。
加えて、健康な人を対象として行う検査である為、放射線被ばくや苦痛等も極力避ける必要があるでしょう。腹部超音波検査は、これらの条件をクリアし、腹部の多数の臓器を苦痛なしに画像診断することが出来る為、人間ドック健診には有用性の高い検査方法なのです。
ただし、超音波という検査の意義をしっかりと発揮しようとするならば、装置のメンテナンスに加え無理のない検査時間の確保・検査担当者の技術修練・画像のチェック体制・制度の管理などなど検査環境を整え、検査の質を一定に保っておく事が非常に重要となってきます。
また、検査技師によって撮影された画像や作成レポートは、日本超音波医学会超音波専門医若しくは日本消化器がん検診学会認定医が読影判断することが望ましいでしょう。
専門医の検査より精密な検査が必要だと判断された場合には、その精検結果を検査担当者にフィードバックすることが大切です。
なぜならば、このフィードバックが技術の向上につながるからです。健診施設では一般的に自施設にて精検を行うという事が少ない為、紹介先からの精密検査の結果報告とは非常に重要であり、検査担当者にきちんとフィードバックされる仕組みを整えておくことが大切です。